ABSTRACT 494(9-3)
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Notchシグナルの造血における役割:熊野恵城1,千葉滋2,細谷紀子1,清水清2,神田善伸2,矢崎義雄1,2<,平井久丸21東大・医・三内,2東大・病・無菌治療部)

The role of Notch signaling in hematopoiesis: Keiki KUMANO1,2,Shigeru CHIBA1,2, Noriko HOSOYA1,2, Kiyoshi SHIMIZU1,2, Yoshinobu KANDA1,2, Yoshio YAZAKI1,2, Hisamaru HIRAI1,2 (1Dept. of Cell Therapy & Transplant. Med., Univ. of Tokyo Hosp., 2Third Dept. of Int. Med.Faculty of Med., Univ. of Tokyo.)

[目的]Notch群遺伝子は種々の細胞の運命を決定し、その異常は癌化に関連する。又Notch群遺伝子産物は造血制御に関与することが示唆されている。今回造血系におけるマウスNotch1の働きを、骨髄系前駆細胞(32D)、ES細胞を用いて検討した。[方法]細胞外領域を欠失したNotchは、リガンド非依存性の活性化型となることが知られている。活性化型Notch1(aNotch1)を骨髄系前駆細胞である32DおよびES細胞に発現させ、32DのG-CSFによる分化を観察した。又ES細胞の血液細胞への分化をメチルセルロース法により検討した。[結果・考案]32DはG-CSFにより好中球に分化するが、aNotch1を発現させるとこの分化は著明に抑制された。ES細胞の血液分化系においては、aNotch1を発現させても、colonyの数、種類においてコントロールES細胞との間に差は認められなかった。しかし混合コロニーを形成する細胞を用いて二次コロニーを形成させると、aNotch1を発現させたもののみが、再び混合コロニーを形成した。aNotch1は、CFU-Mixレベルの未分化な細胞を維持すると考えられた。