ABSTRACT 499(9-3)
胃癌で発現しているWnt受容体Hfz1及びHfz7の分離同定:相良憲彦1,2,徳原真1,戸田剛太郎2,寺田雅昭1,加藤勝1(1国立がんセ・研・分子腫瘍,2慈恵会医大・一内)
Molecular cloning of Wnt receptors, Hfz1 and Hfz7, expressed on human gastric cancer: Norihiko SAGARA1,2, Makoto TOKUHARA1, Gohtaro TODA2, Masaaki TERADA1, and Masaru KATOH1 (1Genetics Div., Natl. Cancer Ctr. Res. Inst., 2 1st Dept. of Int. Med., Jikei Med. Univ.)
Wnt、Wnt受容体、APC、beta-cateninなどにより構成されるWnt信号伝達系の遺伝子異常が大腸癌及びMMTVによる乳癌の発生に関与している。胃癌で発現しているWnt遺伝子群を検索し、新規遺伝子Wnt-13の分離に成功したが (Oncogene 13: 873-876, 1996)、Wnt-13遺伝子増幅は検出されなかったので、Wnt受容体をコードするFrizzled (Hfz)遺伝子群の検索を始めた。胃癌細胞株で発現しているHfzをcDNA-PCRにより検索したところ、FZGC1, FZGC2, FZGC3, FZGC6 及びFZGC7の5種類のHfz cDNA断片が得られた。FZGC7を用いてヒト胎児肺cDNAライブラリーからHfz7 mRNAのコード領域の大半と3'-非コード領域に相当するHfz7 cDNAに加えて、Hfz1 mRNAのほぼ全長に相当するHfz1 cDNAを分離した。 Hfz1はN末端にcystein-rich領域を持ち、C末端がSer/Thr - Xxx - Val の7回膜貫通型受容体をコードしていた。