ABSTRACT 500(9-3)
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MCP-1受容体(CCR2)遺伝子の転写調節機構:竹島秀雄1,山本恵三1,西徹1,紀武志1,木村貴弘1,河内正人1,倉津純一2,生塩之敬11熊本大・医・脳外,2鹿児島大・医・脳外)

Molecular mechanism that regulates CCR2 expression: Hideo TAKESHIMA1, Keizo YAMAMOTO1, Toru NISHI1, Takeshi KINO1, Masato KOCHI1, Takahiro KIMURA1, Jun-ichi KURATSU2, Yukitaka USHIO1(1Dept. of Neurosurgery, Kumamoto Univ. Hosp., 2Dept. of Neurosurgery, Kagoshima Univ. Hosp.)

目的:in vivoにおいて単球を介したMCP-1の抗腫瘍作用を増強するために、単球の細胞膜に存在する受容体の発現を誘導する目的で、その転写調節の分子機構を解析した。方法:ヒト遺伝子ライブラリーよりMCP-1受容体(CCR2)遺伝子をクローニングし、その5'上流領域の塩基配列を決定した。これをもとにルシフェラーゼアッセイ、ゲルシフトアッセイを行いCCR2の転写に重要なDNA配列および同部位に結合する転写因子を同定した。結果:CCR2のプロモーター領域にはTATA box, CAAT boxが存在し、単一の転写開始点を有していた。機能的には、CCR2の転写調節において2つのDNA配列が特に重要であることがわかった。1つはTATA配列のすぐ上流に存在するoctamer sequenceで、主にOct-1が結合し、転写活性を約2倍に上昇させた。もう1つは、5'非翻訳領域にtandemに存在するC/EBP結合配列で、組織特異性と基本転写活性に必須であり、C/EBP-alpha, -beta, -deltaが同部位を認識した。結論:CCR2の発現調節には、5'非翻訳領域という稀な部位に存在するcis-regulatory elementが重要である。