ABSTRACT 505(9-4)
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チロシンリン酸化依存性に活性調節されるPI3Kサブユニット、p55PIK:宮里彰1,3、福井泰久2、山下義博3、大谷賢一1,4、吉田浩司1,5、小澤敬也1,3、間野博行31自治医大・血液、2東大・農、3自治医大・分子生物、4自治医大・循内、5自治医大・大宮医療セ)

p55PIK as a Phosphotyrosine-Dependent Regulator of PI3K: Akira MIYAZATO1,3, Yasuhisa FUKUI2, Yoshihiro YAMASHITA3, Ken-ichi OHYA1,4, Koji YOSHIDA1,5, Keiya OZAWA1,3, Hiroyuki MANO3 (Dept. of 1Hematol., 3Mol. Biol., 4Cardiol., 5Ohmiya Med. Center, Jichi Med. Sch., 2Dept. Applied Biol. Chem., Univ. Tokyo)

【目的】サイトカイン刺激によって血液細胞内でPI3Kが活性化されることが知られているが、どのような分子メカニズムによってPI3K活性が調節されているかは不明な点が多い。我々はTecキナーゼの基質としてPI3Kの調節サブユニットであるp55PIKを同定した。TecキナーゼがPIKとどのような相互作用をしてPI3K活性を調節しているかを以下のように検討した。
【方法・結果】(1) PIKをTec, Jak2, Lyn, Sykらと共に293細胞に導入したところ、TecまたはSykの共発現時にのみPIKの著明なチロシンリン酸化が認められ、同時にPI3K活性も亢進した。(2) PIKはC末側のSH2ドメインを介してTecに結合し、このSH2の機能を失ったPIKはPI3Kを活性化できない。(3) TecによるPIKのリン酸化部位はPIKのN末端ユニークドメイン内に存在し、そのチロシンをフェニールアラニンに置換したミュータントはPI3K活性可能を失った。
【結論】PIKは非受容体型チロシンキナーゼの下流に働き、p85とは異なってチロシンリン酸化依存性にPI3Kを調節すると考えられた。