ABSTRACT 512(9-4)
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Tecによるc-fosプロモーター活性化はShcの新しいリン酸化チロシン残基を介する:大谷賢一1,3、後藤典子2、山下義博3、宮里彰3,4、小澤敬也3,4、間野博行31自治医大・循内、2東大医科研・細胞遺伝、3自治医大・分子生物、4自治医大・血液)

Tec Activates c-fos Promoter through Novel Phospho-tyrosine Acceptor Sites of SHC: Ken-ichi OHYA1,3, Noriko GOTOH2, Yoshihiro YAMASHITA3, Akira MIYAZATO3,4, Keiya OZAWA3,4, Hiroyuki MANO3 (Dept. of 1Cardiol., 3Mol. Biol., 4Hematol., Jichi Med. Sch., 2Dept. Genetics, Inst. Med. Sci., Univ. Tokyo)

【目的】我々はTecがサイトカインによるc-fosがん原遺伝子転写活性化に関与することを明らかにしている。本年度は具体的にどのようなシグナル伝達分子がTecの下流に働いてc-fosプロモーターを活性化しているかを明らかにする目的で、以下の検討を行った。
【方法・結果】fos promoter+luciferaseレポータープラスミドおよびTec発現プラスミドをBA/F3細胞に導入し、同時にdominant negative (DN) Shcを共発現した際のルシフェラーゼ活性を検討した。その結果DNShcの導入によりレポーター活性は著明に抑制されたが、既知のリン酸化サイトである239/240及び317YをFに置換したミュータントShcによっては部分的な抑制しか認められなかった。そこで他のチロシン残基である52/56YをFに置換したミュータントを解析した結果、239/ 240/317Fと同程度のreporter activity抑制を認めた。またphosphopeptide mapping法によって52/56Yがin vivoにおいてもリン酸化サイトとなっていることを確認した。
【結論】Tecはこれまで知られていないShcのチロシン残基をリン酸化することでc-fosの転写調節を行っていると考えられた。