ABSTRACT 516(9-4)
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Srcチロシンキナーゼを介するTGF-β-1シグナルクロストークの検討
福田和人、河田純男、田村信司、松田幸彦、松沢佑次 (阪大2内)

TGF-b1-induced degradation of activated Src tyrosine kinase in rat fibroblasts: Kazuto FUKUDA, Sumio KAWATA, Shinji TAMURA, Yukuhiko MATSUDA, Yuji MATSUZAWA (2nd Dept. of Int. Med., Osaka Univ.)

[目的]Srcチロシンキナーゼは、細胞外の種々の刺激を、細胞内チロシンリン酸化反応に転換する作用を持ち、増殖因子、サイトカインなどのシグナルクロストークに重要な役割を演じることが知られている。今回、私共は、ラット線維芽細胞株3Y1、およびv-Srcによりtransformした3Y1(SR-3Y1)をもちいて、TGF-β-1シグナルにおけるSrcキナーゼの関与について検討した。[方法と結果]TGF-β-1により、SR-3Y1では、v-Src蛋白量、活性とも著明に減少した。35S-pulse-labelによる検討にて、v-Src蛋白量の減少は、TGF-β-1によりdegradationが亢進するためであると考えられた。3Y1においてはc-Src蛋白量、活性はTGF-β-1により変化を受けなかったが、PDGFを添加しc-Srcを活性化すると、v-Srcと同様に、TGF-β-1によるdegradationの亢進が認められた。[結論]TGF-β-1は活性化されたSrcチロシンキナーゼのdegradationを亢進させることが示唆され、Srcを介する増殖因子とのシグナルクロストークの存在が考えられた。