一般演題

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肺癌患者におけるサイトケラチン陽性細胞(micrometastasis)の検出と術後再発：大崎敏弘，井上政昭，大神　明，花桐武志，吉野一郎，中西良一，市吉裕二，安元公正（産業医大・２外）

Prognostic value of cytokeratin-positive cells (micrometastasis) in patients with lung cancer : Toshihiro OSAKI, Masaaki INOUE, Akira OHGAMI, Takeshi HANAGIRI, Ichiro YOSHINO, Ryoichi NAKANISHI, Yuji ICHIYOSHI, Kosei YASUMOTO (Dept. of Surg. II, Univ. of Occup. Envir. Health.)
　
〔目的〕骨髄(BM)，リンパ節(pN0-LN)，肺静脈血(PV)，末梢血(PB)を用いて肺癌手術患者に潜在する微量癌細胞(micrometastasis)の検出をサイトケラチン(CK)をマーカーとして試み，術後再発との関連を解析した。〔対象と方法〕肺癌切除185例を対象に，(1)免疫細胞染色法 (BM, pN0-LN, PV, PB)：１症例につき1×10⁶個の有核細胞を抗CK抗体を用いたAPAAP法，(2)RT-PCR法 (PB)：CK19 primerを用いたCK19 mRNA検出，(3)免疫組織染色法 (pN0-LN)：抗CK抗体を用いたLSAB法を行った。〔結果〕(1) 免疫細胞染色法によるCK陽性細胞(CK+)検出率はBM; 34%(62/185), PV; 2%(3/132), PB; 0%(0/112), pN0-LN; 29%(14/48)で，pN0-LNは8%(4/48)がN1，21%(10/48)がN2にstage upした。(2) RT-PCR法によりPB90例中4例(4%)にCK19 mRNAが検出された。(3)免疫組織染色法により pN0-LNの52%(13/25)にCK+細胞が検出され，7例がN1，6例がN2にstage upした。(4) I - IIIA 期非小細胞肺癌治癒切除例では骨髄中CK+群はCK-群に比較し術後再発を有意に多く認め，多変量解析でも骨髄中CK+細胞の有無はN因子とともに有意な術後再発予知因子であった。〔結論〕これらの方法によりmicrometastasisの検出は可能で，術後再発ハイリスク群を選別する上で重要と考えられた。