一般演題 0539(11)
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術中Lymphatic mappingを用いた乳癌Sentinel lymph nodesの同定:津川浩一郎1、野口昌邦1,2、坂東悦郎1、三輪晃一11金沢大・2外、2金沢大・病・手術部)

Lymphatic mapping for breast cancer: Kouichiro TSUGAWA1, Masakuni NOGUCHI1,2, Etsuro BANDOH1, Kouichi MIWA1 (1Dept. of Surg. II, Kanazawa Univ., 2Ope. Ctr., Kanazawa Univ. Hosp.)

〔目的〕Sentinel lymph nodes(SLN)は、原発巣から最初に転移をきたすリンパ節である。SLNの生検は次に繋がる領域リンパ節の転移状況を正確に診断し、合理的な郭清を行なう方法として有望視されている。今回、手術中Dye-guide法を用いて乳癌症例におけるリンパ路の染色を行ない、乳癌のリンパ系進展について検討した。〔対象と方法〕乳癌症例50例。1%Patent blue、4〜6mlを乳癌腫瘤の周囲に注入し、約5分後、脂肪組織内の色素に染まったリンパ管を求め、さらにそのリンパ管を剥離露出しながら、色素に染まったSLNを求め切除した(Sentinel lymphadenectomy)。その後level IIIまでの腋窩リンパ節(Ax)郭清、さらに腫瘤が内側にかかる場合には胸骨傍リンパ節(Ps)の生検を行った。〔結果〕SLNは41例(82%)に同定可能であった。Ax: level Iに37例、level I&IIに4例認められた。また、Ps: 34例に生検を行ない、4例同定可能で、6例に青染リンパ管の流入を認めた。SLNにおける癌転移の有無から腋窩リンパ節転移の診断をすると、正診率:93%、敏感度:86%、特異度:100%であった。〔結論〕術中のLymphatic mappingならびにSentinel lymphadenectomyは合理的なリンパ節郭清を行なうために有用であると考えられた。