ABSTRACT 544(12-1)
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胃癌培養細胞に対する5-FU/CDDP併用療法の効果発現へのNOの関与:大島 貴1, 今田敏夫1, 山田六平1,長 治彦1, 羽鳥慎祐1, 塩澤 学1, 分部 敏1, 高橋 誠1, 利野 靖1, 近藤治郎1, 長嶋洋治2(1横浜市立大学第一外科、2横浜市立大学第二病理)

Involvement of nitric oxide in effect of combination of 5-FU and CDDP in human gastric cancer cell
Takashi OHSHIMA1, Toshio IMADA1, Roppei YAMADA1, Haruhiko CHO1, Shinsuke HATORI1, Manabu SHIOZAWA1, Satoshi WAKEBE1, Makoto TAKAHASHI1, Yasushi RINO1, Jiro KONDO1, Yoji NAGASHIMA2 (1First Department of Surgery Yokohama City Univ. 2Second Department of Pathology Yokohama City Univ. )

[目的] 5-FUは胃癌に対する抗腫瘍薬の主座を占めて久しく、近年は抗腫瘍薬におけるbiochemical modulationから5-FU/CDDP併用療法が注目されている。本研究は、胃癌細胞に対する5-FU単独および5-FU/CDDP併用療法の効果発現へのNOの関与を検討する目的で施行した。
[方法] 胃癌細胞株はMKN-1を用い、IC50量で5-FU単独および5-FU/CDDP併用処理を行った。さらに各々の群に対し (1)IFN-γ (2)IFN-γ+抗NOS剤:s-methylisothiourea (3)IFN-γ+抗TNFαを投与し72時間培養した。NO産生量の測定はNitrite assay法、TNFα産生量の測定はELISA法、抗腫瘍効果の判定はMTTassayを用いておこなった。
[結果] MKN-1の5-FU単独および5-FU/CDDP併用処理において、IFN-γ投与下では、NOおよびTNFαの産生が認められ、有意な抗腫瘍効果の増強を認めた。これに対し、抗NO剤、s-methylisothioureaを投与すると抗腫瘍効果の増強は認めなくなった。また、抗TNFα抗体を投与するとNOの産生は減少し、抗腫瘍効果の増強を認めなくなった。
[結論] (1)胃癌細胞に対する5-FU単独および5-FU/CDDP併用処理の抗腫瘍効果の発現の一部に、NOが関与している可能性が示唆された。(2)5-FUおよびINF-γ存在下にTNFαが産生され、NOを誘導している可能性が示唆された。