ABSTRACT 545(12-1)
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進行・再発乳癌に対する経口抗癌剤による複合療法(DMpC療法)の効果 - CAF+MPA療法との無作為化比較試験:堀 泰祐、児玉 宏、畑埜武彦、稲本 俊、平岡真寛(京滋乳癌研究会、第10次研究班)

Randomized clinical trial of DMpC versus CAF+MPA in women with advanced or recurrent breast cancer : Taisuke HORI, Hirosi KODAMA, Takehiko HATANO, Takashi INAMOTO, Masahiro HIRAOKA (Kyoto-Shiga Breast Cancer Study Group)  

【目的】進行・再発乳癌に対する経口抗癌剤5'DFUR、CPA、及びMPAの3者併用療法(DMpC療法)の有効性はすでに報告されている。DMpC療法(以下A法)と標準的な多剤併用療法と考えられているCAF(CPA+Adriamycin+5FU)とMPAを組み合わせた治療(以下B法)との比較を試みた。
【方法】初回再発症例または前治療のないStageIIIb以上の乳癌症例に最小化法による割り付けを行い、無作為化比較試験を行った。primary end pointを生存率、QOLとし、奏効率、副作用等も比較した。
【結果】1993年から3年間に登録された99例中、効果判定の終了した90例について検討した。奏効率(CR+PR)はA法で56.4%、B法で63.0%と差はなく、生存率も差がなかった。服薬のcomplianceはA 法において良好であった。副作用発現状況は投薬開始後3カ月まででみるとA法で31.8%、B法で73.7%とB法で有意に高かった。QOLでは脱毛に対する訴えがA法で有意に少なかった。
【結語】DMpC療法は経口投与のため容易に外来治療が可能であり、CAF+MPAに匹敵する効奏率を有し、副作用が少なく、進行・再発乳癌に対しきわめて有用であると考えられる。