ABSTRACT 548(12-1)
 一般演題一覧 トップ 


イリノテカン(CPT-11)+カルポプラチン(CBDCA)併用化学療法 -Phase I study- 岡 三喜男1, 福田 実2, 寺師健二1, 塚元和弘1, 高谷 洋1, 楢崎史彦1, 河野 茂1. (1長崎大・医・2内, 2長崎成人セ・内)

Phase I study of irinotecan (CPT-11) and carboplatin (CBDCA) in previously untreated advanced solid cancers : Mikio OKA1, Minoru FUKUDA2, Kenji TERASHI1, Kazuhiro TSUKAMOTO1, Hiroshi TAKATANI1, Fumihiko NARASAKI1, Shigeru KOHNO1. (12nd Dept. of Int. Med., Nagasaki Univ. School of Med., 2Nagasaki Municipal Med. Ctr. Int. Med.)

イリノテカン(CPT-11)とカルポプラチン(CBDCA)は広い範囲の抗腫瘍活性を持つ抗癌剤である。我々はCPT-11とCBDCA併用化学療法のphase I studyを行った。目的はCBDCAの投与量をtarget AUC=5に固定したこの併用療法におけるCPT-11の至適投与量を決定すること。対象は75歳未満、PS 0-2, 十分な臓器機能を有する化学療法未施行の進行癌患者。投与量規定因子(DLT)は4日間以上続くか感染を伴うGrade 4 好中球減少, Grade 4 血小板減少, Grade 3-4 の非血液毒性。DLTの出現が 33.3% 以上あれば最大耐用量とした。CPT-11とCBDCAはそれぞれday 1, 8, 15 およびday 1 に投与し、CBDCA投与量(mg)はChatelut式 (JNCI 87: 573, 1995) で予測したCBDCA クリアランスと目標AUC=5の積にした。血清クレアチニン測定法はJaffe法。CPT-11投与量は 40 mg/m2 から開始し、10mg/m2 ずつ増量した。治療が有効な場合28日間隔で繰り返した。24症例を登録し、毒性を評価した。年齢は中央値 68 (40-74)歳、男/女=20/4、PSは0/1/2=6/13/5、原発巣は肺 23 (小細胞癌14, 非小細胞癌9)、大腸1。毒性は

levelCPT-11CBDCAPtsday 8/15G3/4NG3/4TG1/2/3/4下痢DLT
140AUC=533/20/01/03/0/0/00
250AUC=533/12/00/00/1/0/00
360AUC=51311/33/67/45/1/2/16
470AUC=554/23/10/23/1/0/02

最終的にlevel 3 において13例中6例、level 4 において5例中2例にDLTを認めた。1コース目の day 1 に採血を行い 10 症例で CBDCA 濃度を測定した。CBDCAのAUC, Cmax (μg/mL), T1/2 (h), MRT (h) はそれぞれ4.58±0.64 (3.87-5.89), 26.7±4.8 (20.5-37.6), 2.63±0.98 (1.79-5.00), 3.49±0.71 (2.70-4.79) 。効果は肺小細胞癌:CR4, PR7, NC2 (奏功率84.6%)、肺非小細胞癌:PR3, NC4, PD3 (奏功率30.0%)、大腸癌:NC1 (奏功率0%)。この併用療法においてlevel 3 が最大耐用量, level 2 が至適投与量と結論した。