ABSTRACT 550(12-1)
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(E)-2'-deoxy-2'-(Fluoromethylene) cytidine (FMdC) 5日間連続経口投与の臨床第I相試験:武田晃司1,益田典幸2,根来俊一1,高田実2,福岡正博31大阪市総合医療セ・呼吸器内,2大阪府羽曳野病・2内,3近畿大医・4内)

Phase I study of oral (E)-2'-deoxy-2'-(Fluoromethylene) cytidine (FMdC): on a daily x 5-day schedule: Koji TAKEDA1, Noriyuki MASUDA2, Shunichi NEGORO1, Minoru TAKADA2, and Masahiro FUKUOKA3 (1Dept. of Pul. Med., Osaka City General Hosp., 2Dept. of 2nd Int. Med., Osaka Pref. Habikino Hosp. and 3Dept. of 4th Int. Med., Kinki Univ.)

〔目的〕リボヌクレオシド2リン酸還元酵素阻害剤であるFMdCの毒性を検討し,最大耐用量(MTD)を決定,同時に薬物動態についても解析する.〔対象と方法〕進行固形癌患者を対象にFMdCを5日間連続経口投与し,3-4週毎に繰り返した.初回投与量は8mg/m2/dayとし,Fibonacciの変法で,増量を計画した.MTDはGrade 3-4の血液毒性および悪心・嘔吐,脱毛,発熱を除くGrade 2以上の非血液毒性が,1/2以上に出現する投与量とした.1コース目のDay1, 5に薬物動態を検討した.〔結果〕進行非小細胞肺癌10例に治療が行われた.8mg/m2/dayの第1例目にGrade 3の白血球(好中球)減少を認め,この投与量はMTDを越えていると判断し,次例より4mg/m2/day,さらに2mg/m2/dayに減量して検討を続けた.MTDは4mg/m2/dayで,6例中4例にGrade 3-4の好中球減少を認めた.発熱とインフルエンザ様症状を10例中7例に認めた.本治療により誘導された血中Interleukin-6濃度と発熱の間に強い相関を認めた.4mg/m2/dayのFMdCのt1/2,Cmax,CL/F,MRTの平均は,それぞれ3.20 h,15.8ng/ml,2.91l/h/kg,4.03hであった.〔考察〕本治療法の第II相試験への推奨用量は,4mg/m2/dayと考えるが,投与スケジュールおよび投与方法の更なる検討が必要である.