ABSTRACT 555(12-2)
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Gly-533変異型ヒトDNA topoisomerase I遺伝子の導入による細胞の薬剤耐性化:柳瀬香恵1,2,杉本芳一1,安藤俊夫2,鶴尾隆1,3 1癌研・癌化療セ,2創価大・工,3東大・分生研)

Retroviral Transfer of a Mutant (Gly-533) Human DNA Topoisomerase I cDNA Confers Resistance to Camptothecin : Kae YANASE1,2, Yoshikazu SUGIMOTO1, Toshiwo ANDOH2, Takashi TSURUO1,3 (1Cancer Chemotherapy Center, Jpn. Fdn. Cancer Res., 2Facul. Engineering, Soka Univ. and 3Inst. Mol. Cell. Biosci., Univ. Tokyo)

【目的】 我々は以前、Gly-533変異型DNA topoisomerase I(topo I)がin vitroでcamptothecin(CPT)に抵抗性を示すことを報告した。今回、この変異型topo I cDNAの培養細胞への導入と発現により、細胞がCPT耐性を獲得するか否かを検討した。【方法】Gly-533変異型topo I cDNA(TM1)とneomycin耐性遺伝子を共発現するbicistronic retrovirus vectorを構築してHeLa S3細胞に導入し、G418耐性となったmixed populationのCPTに対する感受性を調べた。【結果】独立に遺伝子導入された2系のmixed population(HeLa/TM1-1、HeLa/TM1-2)はcontrol細胞に比べて1.8倍および1.7倍のCPT耐性を示した。HeLa/TM1-1細胞の核抽出液中のtopo I酵素(野生型topo Iと変異型topo Iのmixture)は見かけ上野生型topo Iに比して4倍のCPT抵抗性を示した。このときの変異型topo Iの発現量は、endogenousな野生型topo Iの発現量の約10分の1であった。【結論】野生型topo Iを発現している細胞にGly-533変異型topo Iを導入することにより、細胞をCPT耐性とすることができることが示された。