ABSTRACT 556(12-2)
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SN-38耐性肺癌細胞の耐性機構の解析:岡三喜男、中村貴、福田実、楢崎史彦、池田幸紀、中野令伊司、寺師健二、塚元和弘、河野 茂(長崎大・医・2内)

Resistance mechanisms of SN-38-resistant human lung cancer cells : Mikio OKA, Takashi NAKAMURA, Minoru FUKUDA, Fumihiko NARASAKI, Koki IKEDA, Reiji NAKANO, Kenji TERASHI, Kazuhiro TSUKAMOTO, Shigeru KOHNO(Second Dept. of Int. Med., Nagasaki Univ. Sch. of Med.)

[目的] DNAトポイソメラーゼI阻害薬であるCPT-11は広い抗腫瘍効果を有する抗癌剤である。その耐性化にはこれまでいくつかの機序が報告されている。我々はCPT-11のactive metaboliteであるSN-38で選択されたSN-38耐性肺癌細胞PC-6/SN2-5を用いてその耐性機構を解析した。[材料と方法] MTT assayにてSN-38 および各種抗癌剤での感受性を比較検討、既知の薬剤耐性遺伝子の発現をRT-PCR法によって評価した。DNAトポイソメラーゼIについては質的、量的、機能的変化を、SN-38の細胞内グルクロン酸抱合活性についてはUGT酵素とSN-38Gを測定した。[結果] SN-38耐性株PC-6/SN2-5は親株に比べSN-38に約10倍、CDDP, Topotecan、VP-16、MMCにも交叉耐性を、更にSN-38Gに約10倍の耐性を示した。薬剤耐性遺伝子であるMDR1、MRP1、MRP2/cMOATの発現に差は見られなかった。DNAトポイソメラーゼIとUGTについては親株、耐性株共にその量または機能の変化は見られなかった。一方、PC-6/SN2-5細胞の細胞内SN-38濃度が低下していた。[結論]SN耐性PC-6/SN2-5肺癌細胞においてMDR1、MRP1、MRP2/cMOAT以外のSN-38 or SN-38Gを排出する薬剤排出ポンプの存在が示唆された。