ABSTRACT 557(12-2)
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DNA修復関連遺伝子ERCC1のシスプラチン耐性細胞における転写制御:今村寿宏、伊勢知子、永谷群司、加藤健、高野裕士、野本実、岩本幸英2、河野公俊、(産業医大・医・分子生物、九大・医・整形2) 

Transcriptional regulation of DNA repair gene ERCC1 in Cisplatin resistant cell: Toshihiro IMAMURA1, Tomoko ISE 1, Gunji NAGATANI1, Ken KATO1, Hiroshi TAKANO1, Minoru NOMOTO1, Yukihide IWAMOTO2, Kimitoshi KOHNO1, (1Dept. of Mol. Biol., Univ. of Occup. & Environ. Health .,2Dept. of Ortho., Kyusyu Univ.Sch. Med)

[目的] シスプラチン耐性細胞において高率に過剰発現しているERCC1遺伝子発現制御の分子機序を明らかにする。
[方法] すでに報告されているERCC1のプロモーター塩基配列を基にPCRでクローン化し、それをプローブとしてゲノムライブラリーよりスクリーニングし、第1エキソン及び上流約2.5Kbの塩基配列を決定した。プライマー伸長法にて転写開始点の決定及びルシフェラーゼレポーターによるプロモーター活性を親株及びシスプラチン耐性細胞にて検討した。
[結果](1)ノーザンブロットによりERCC1の遺伝子発現はシスプラチン耐性細胞で過剰発現していた。(2)プロモーターの塩基配列ではTATAboxはなく、AP-1, AP-2, TCF,NF-IL6, Ets-1等の転写因子結合部位を持つ。 さらに上流に、2つのAlu 配列が存在していた。(3)耐性細胞のERCC1遺伝子は増幅はみられず、プロモーター活性はシスプラチン感受性細胞に比べ、耐性細胞で明らかに高かった。このことによりERCC1遺伝子が、シスプラチン耐性細胞において、転写レベルで活性化されていることが判明した。