一般演題

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骨肉腫における転写因子YB-1蛋白発現の免疫組織化学的検討：小田義直¹、恒吉正澄²、桑野信^３、岩本幸英¹（¹九大・医・整形、²九大・医・病理、^３九大医・生化）

Immunohistochemical expression of YB-1 protein in human osteosarcoma: Yoshinao ODA¹, Masazumi TSUNEYOSHI², Michihiko KUWANO³, Yukihide IWAMOTO¹ (¹Dept. of Orthop. Surg., ² 2nd Dept. of Pathol., ³ 1st Dept. of Biochem.,Kyushu Univ.)

【目的】YB-1はY-box 転写因子のひとつであり、多剤耐性遺伝子MDR1の発現に関与することが報告されている。今回我々はヒト骨肉腫におけるYB-1蛋白の発現とP糖蛋白:PGPの発現を免疫組織化学的に検討した。【材料と方法】材料は生検された通常型骨肉腫69例のホルマリン固定パラフィン包埋切片であり、免疫組織化学はYB-1蛋白に対する抗体anti-YBCとPGPに対する抗体JSB-1を用いABC法にて行った。【結果】YB-1の発現は69例全例に認められた。このうち細胞質のみに発現を認めたものは37例、細胞質と核に発現を認めたものは32例であった。PGPの発現は36例(52%)に認められた。YB-1発現を細胞質と核内に認めた32例中26例はPGP陽性であり両者には有意な相関関係が認められた。【考察】骨肉腫においてはYB-1蛋白の核内における発現はPGPの発現と相関しており、in vitroの実験や乳癌で報告されているようにYB-1がMDR1の発現を促進していることを示唆する所見であった。