ABSTRACT 569(12-3)
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サイトカイン分泌腫瘍におけるプロペノン誘導体AM132の抗腫瘍効果増強:福本久郎1, 西條長宏1,2, 池田俊一3,臼田実男1, 鈴木俊宏1, 須波敏彦1, 具孝庭1, 大江裕一郎4, 西尾和人11国立がんセ・研・薬効, 2 国立がんセ・中央病・内,3 協和発酵(株)・東京研究所,4 国立がんセ・東病・内)

Enhanced antitumor effect of AM132, a propenone derivative in cytokine secreting tumor: Hisao FUKUMOTO1, Nagahiro SAIJO1,2, Shun-ichi IKEDA3, Jitsuo USUDA1, Toshihiro SUZUKI1, Toshihiko SUNAMI1, Hyo-Jeong Kuh1, Yuichiro OHE4, Kazuto NISHIO1 (1Div. of Pharmacol., Nat'l. Cancer Ctr. Res. Inst., 2Dept. of Int. Med., Nat'l. Cancer Ctr. Hosp., 3Tokyo Res. Lab., Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd., 4Dept. of Int. Med., Nat'l., Cancer Ctr. Hosp. East)

【目的】AMコンパウンドはTK5048を母化合物とした新しい1-phenyl1-3-propenone誘導体である。数種類のサイトカイン分泌腫瘍細胞におけるAM132の抗腫瘍効果の検討を目的とした。
【方法】サイトカイン分泌細胞は、Lewis lung carcinoma (LLC)細胞にプラスミドを用いた遺伝子導入により作製した。各IL-6導入(LLC/IL-6)、TNF-α導入(LLC/TNF-α)、GM-CSF導入(LLC/GM-CSF)、mock導入(LLC/Neo)細胞をC57BL/6マウス皮下移植し、その7日後よりAM132を(1)25mg/kg/day、5回、(2)50mg/kg/day、1回、または(3)12.5mg/kg/隔日、3回、静脈内投与し腫瘍径および体重を経時的に測定しT/C比で抗腫瘍効果を検討した。
【結果および考察】25mg/kg/day投与においてT/CはLLC/TNF-α(0.03), LLC/IL-6(0.21), LLC/GM-CSF(0.31), LLC(0.46), LLC/Neo(0.66)で、12.5mg/kg/dayの投与においてはLLC/TNF-α(0.07),LLC/IL-6(0.18),LLC/Neo(0.72)の順でLLC/TNF-αおよびLLC/IL-6が高い感受性を示した。しかし、LLC/IL-6担癌マウスは25mgまたは50mgmg/kg/dayの投与において悪液質の増悪が認められ、LLC/IL-6腫瘍組織において多くの出血斑が認められた。これらの結果はAM-132の抗腫瘍効果がTNF-αにより増強する可能性およびサイトカインの過剰分泌によって全身状態が悪化する可能性を示唆するものであった。