ABSTRACT 576(12-3)
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Thymidine phosphorylase cDNA 導入PC-9細胞における5-FU感受性の検討:加藤泰史1,千葉幸夫1,谷口哲郎1,中村誠昌1,宮永克也1,天谷博一1,松村光誉司1,下松谷匠1,堀内哲也1,谷川允彦21福井医大・2外,2大阪医大・一般消外)

5-FU sensitivity in PC-9 cells transfected with a thymidine phosphorylase cDNA:Yasushi KATO1, Yukio CHIBA1, Tetsuo TANIGUCHI1, Tomoaki NAKAMURA1, Katsuya MIYANAGA1, Hirokazu AMAYA1, Mitsuyoshi MATSUMURA1, Takumi SHIMOMATSUYA1, Tetsuya HORIUCHI1, Nobuhiko TANIGAWA2 (12nd Dept. of Surg., Fukui Med. Univ., 2Dept. of General and Gastrointestinal Surg., Osaka Med. College)

[目的]5-FUの感受性は、細胞内ピリミジン代謝関連酵素活性と密接に関係している。そこで、thymidine phosphorylase(TP) cDNAのトランスフェクタントを用いて、5-FUの代謝のメカニズムを検討した。 [材料と方法]ヒト肺癌cell lineであるPC-9に、pcDNA3ベクターを用いて、TP cDNAをトランスフェクトした。野性株(Wt)、pcDNA3ベクターのみのトランスフェクタント(D1)、TPトランスフェクタント(DPE9)を主に、以下の実験に用いた。薬剤感受性は、MTT assayにて、thymidylate synthase(TS)活性測定は、tritiated-FdUMP binding assayにて、DNA及びRNA分画抽出は、Schmidt-Thannhauser-Schneider法にて行った。 [結果]DPE9の5-FUに対する感受性は、Wt、D1と比べて、約10倍増強していた。5-FU 48時間曝露後のTS阻害率に関して、3者間に差はなかった。5-FUのDNA取り込み量に関しても、3者間に差がなかったが、RNA取り込み量に関しては、DPE9は、他の2者と比較して、4.5倍増大していた。 [結論]高TP活性細胞における5-FU感受性増強は、5-FUのRNAへの取り込みと最も関係が深いと考えられた。