ABSTRACT 579(12-4)
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ヒトABCス―パ―ファミリ―遺伝子cMOAT1/MRP2の関与する抗癌剤耐性:河辺毅1,田中聡也1,藤賢史1,中村崇規1,内海健1,小野眞弓1,和田守正1,大本安一2,陳哲生3,,秋山伸一3,,桑野信彦1 (1九大・医・生化,2大塚製薬・細胞工研,3,鹿大・医・腫瘍研)

Transfection of cMOAT1/MRP2 cDNA into two cell lines confer the resistans to some anticancer agents : Takeshi KAWABE1,Toshiya TANAKA1,Satoshi TOU1,Takanori NAKAMURA1,Takeshi UCHIUMI1,Mayumi ONO1,Morimasa WADA1,Yasuichi OHMOTO2,Zhe-sheng chen3,,Shin-ichi Akiyama3,,Michihiko KUWANO1 (1Dept. of Biochem.,Kyushu.Univ.Sch.Med.,2Cell. Tech. Inst.,Otsuka Pharm. Co.,3,Cancer Res.Inst.,Med.,Kagoshima Univ.)

【目的】癌細胞の多剤耐性を担う分子標的としてMDR-1とMRPが注目されてきた。しかし、シスプラチン耐性を担う分子標的としては、他の抗癌剤排出ポンプの存在が示唆されている。最近我々は、MDR-1やMRPと同様ABC superfamilyに属するヒトcMOAT (canalicular Multispecific Organic Anion Transporter)1/MRP2をクロ―ニングした。このヒトcMOAT1が、何れの抗癌剤感受性ならびにグルタチオン抱合体の輸送に関与するかを検討した。【方法・結果】(1)CHO-K1細胞とLLC-PK1細胞にヒトcMOAT1のcDNAをリポフェクション法で導入し、G418 耐性細胞株を、Western blot法によりスクリーニングした結果、ヒトcMOAT1蛋白質の発現亢進細胞株を単離した。(2)免疫染色により、CHO-K1細胞株では、ヒトcMOAT1を形質膜に発現していた。(3)ヒトcMOAT1導入株では、leukotriene C4やglutathione-bimaneの輸送が亢進していた。(4)ヒトcMOAT1導入株は、シスプラチンとカンプトテシン誘導体に対する感受性が低下していた。【考察】ヒトcMOAT1は、近縁のMRPとはその耐性スペクトラムが、一部共通であるものの、差異が存在することが示唆された。さらに、ヒトcMOATの抗癌剤感受性を左右する機序についても言及したい。