ABSTRACT 586(12-4)
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外界ストレスによる転写因子YB-1の活性化とヒトMDR1発現の制御: 岡本龍郎1、内海健1、大賀丈史1、小池浩次1、桑野信彦1、河野公俊21九大医・生化、2産業医大・分子生物)

Stress-induced Activation of YB-1 and its Involvement in MDR1 Gene Expression. Tatsuro OKAMOTO1, Takeshi UCHIUMI1, Takefumi OHGA1, Koji KOIKE1, Michihiko KUWANO1, Kimitoshi KOHNO2 (1Dept. Biochem. Kyushu Univ. Sch. Med., 2Dept. Mol. Biol., Univ. Occup. and Environ. Health)

[目的] ヒト多剤耐性を担うMDR1遺伝子の発現には、近位プロモーター領域に存在するYボックスが重要である。また我々は、Yボックス結合転写因子YB-1が、外界ストレスにより細胞質から核へ移行することを報告してきた。今回YB-1の核内局在とMDR1の発現機序の分子的背景について検討した。[方法] 抗YB-1抗体を用いたウエスタンブロットと共焦点レーザースキャンで、細胞内YB-1の局在について検討した。抗YB-1抗体とGST-YB-1 fusion proteinを用いてYB-1に結合する蛋白の存在および、そのリン酸化を検討した。酵母two-hybrid法によりYB-1と相互作用する蛋白の検索を行った。[結果] (1) YB-1は低酸素などによって、核へ移行することが観察された。(2) 30kDaのYB-1結合蛋白が細胞質に存在し、YB-1のC端ドメインと結合しており、紫外線照射でリン酸化を認めた。two-hybrid法の結果もあわせて、YB-1の細胞内局在とP-糖蛋白の発現との関連性について言及したい。