ABSTRACT 587(12-4)
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YB-1によるCisplatin-DNAの優先的認識:伊勢知子1、永谷群司1、今村寿宏1、加藤健1、野本実1、高野裕士1、内海健2、桑野信彦2、河野公俊1、(1産業医大・医・分子生物、2九大・医・一生化)

Preferential Binding of YB-1 to Cisplatin-modefied DNA: Tomoko ISE1, Gunji NAGATANI1, Toshihiro IMAMURA1, Ken KATO1, Minoru NOMOTO1, Hiroshi TAKANO1, Takeshi UCHIUMI2, Michihiko KUWANO2, Kimitoshi KOHNO1 (1Dept. of Mol. Biol., Univ of Occup. & Environ. Health, 2Dept. of Biochem., Kyusyu Univ. Sch. Med.)

[目的]YB-1は、シスプラチン耐性細胞で過剰発現し、アンチセンス発現により、細胞はシスプラチン感受性となることから、YB-1が積極的にシスプラチン耐性に関与することを昨年報告した。そこで、シスプラチン耐性におけるYB-1の役割を解析した。[方法]GST融合蛋白を作成し、Cisplatin-DNAへの結合能を他の損傷DNA認識蛋白と対比させて検討する。さらにDNA修復蛋白群との分子会合をPull down assayで検討する。
[結果](1)YB-1は、HMG1やHMG2またXPAと同様にCisplatin-DNAを優先的に認識する。(2)その認識はdGpG、dApG、dGpXGpのクロスリンクをすべて認識しうる。(3)PCNAとの分子会合が、in vitro及びin vivoで証明された。
[結論]YB-1は塩基配列特異的転写因子として、はじめてCisplatin-DNAを認識しうることが確認され、PCNAと分子会合することからDNA除去修復に関与することが示唆された。