ABSTRACT 625(14)
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哺乳動物Hsp40(DnaJ)相同体の温熱耐性における役割:
大塚健三、松野英幸1,2、秦 眞美愛知がんセ・研・放、名大・医・口外)

Role of mammalian Hsp40(DnaJ) homologs in thermotolerance: Kenzo OHTSUKA1, Hideyuki MATSUNO1, 2, Mami HATA1 (1Lab. Exptl. Radiol., Aichi Cancer Center Res. Inst., 2Dept. Oral Surg., Nagoya Univ. Sch. Med.)

 われわれが先に見い出したHsp40はバクテリアのDnaJの相同体である。細胞内ではHsp40はHsp70と挙動を共にしており、細胞内のHsp40およびHsp70の量は温熱耐性の程度とよく相関する。またHsp40とHsp70は変性蛋白質の凝集を防ぎ、ATPのエネルギーを使って元どうりに折りたたむよう機能していること、さらに細胞内においてもHsp40とHsp70は共同して熱によって変性した蛋白質の活性を回復するよう働いていることなどを報告してきた。
 熱ショック蛋白質 (Hsp) の温熱耐性における役割を直接的に証明するためには、特定のHspを条件的に高発現または発現抑制させる実験系が有効である。その1つにTet-on遺伝子発現系がある。まずHeLa細胞にpTet-onプラスミドを導入した。得られたTet-on HeLa細胞に、哺乳動物のDnaJ (Hsp40) 相同体のうちのHSDJ とHsp40のcDNAをpTREヴェクターに組み込んだプラスミドを導入して、doxycycline添加でHSDJおよびHsp40を高発現する細胞株を得た。HSDJとHsp40のそれぞれの発現はdoxycycline濃度依存的であり、約3倍の誘導がみられた。この条件下での細胞の温熱感受性について現在検討中である。このほかにHsp70についても条件的に高発現または発現抑制する細胞株を単離し、これらの細胞株を用いて各Hspの温熱耐性における役割を解析し、報告する予定である。