ABSTRACT 639(15-1)
神経膠腫のp53遺伝子変異の検索におけるCFLP法の有用性:上原久生1,河野寛一2,片岡寛章3,鮫島哲朗1,森山拓造1,脇坂信一郎1(1宮崎医大・脳外,2都城市郡医師会病院・脳外,3宮崎医大・第2病理)
Usefulness of CFLP for Detection of p53 Mutation in Human Glioma : Hisao UEHARA1, Hirokazu KAWANO2, Hiroaki KATAOKA3, Teturo SAMESHIMA1, Takuzou MORIYAMA3, Shinichiro WAKISAKA1 (1Dept. of Neurosurg., Miyazaki Med. Col., 2Dept. of Neurosurg., Miyakonojyou Med. Association Hosp.,32nd. Dept. of Pathol., Miyazaki Med. Col.)
【目的】新しく開発されたCFLP (CLEAVASE Fragment Length Polymorphism) 法を使用した神経膠腫のp53遺伝子の変異の検索結果とsequencingで決定した塩基配列とを比較し、その有用性を検討する。
【対象】1994年9月から1997年8月までに神経膠腫と診断された30症例、35 sample。組織分類、low grade astrocytoma : 3, oligodendroglioma : 1, anaplastic astrocytoma : 4, glioblastoma multiforme : 21, 正常controlのてんかん切除脳 : 1。
【方法】組織から抽出したgenomic DNAのp53のexon 5-8に対応する部分をPCRにて増幅する。それにヘアピン構造の5ユ側を特異的に切断するCLEAVASERを加え、その反応物を電気泳動し判定する。変異が存在すると切断部位が変わり、異なるパターンで泳動される。その結果とsequencingで決定した実際の塩基配列とを比較検討する。
【結果】神経膠腫のp53遺伝子変異はCFLP法にて高い検出率を示し、sequenceの結果とも高い相関性を示した。CFLP法は遺伝子の変異の検索に非常に有用と推察された。