ABSTRACT 642(15-1)
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大腸癌のリンパ節、血液における微小転移検出の検討:山口和也、高木幸浩、国枝克行、佐治重豊(岐阜大、2外)

Detection of colorectal cancer micrometastases in lymph nodes and blood by reverse transcriptase polymerase chain reactions for carcinoembryonic antigen and cytokeratin 20 : Kazuya YAMAGUCHI, Yukihiro TAKAGI, Katsuyuki KUNIEDA, Sigetoyo SAJI(2nd dept.of surgery,Gifu Univ.School of Med.)

【目的】大腸癌患者のリンパ節、末梢血、腫瘍灌流静脈血における微小転移の存在を、RT-PCRを用い、CEA及びCytokeratin 20(CK-20)の有無から推察した。【対象と方法】38例の腫瘍、正常粘膜、リンパ節と、32例の腫瘍摘出前後の末梢血及び腫瘍灌流静脈血を採取し、total RNAを抽出後、nested PCRを行った。【結果】(1)摘出リンパ節599個中、組織学的転移陽性リンパ節は30個(5.0%)であった。(2)CEAまたはCK-20陽性リンパ節(a)は274個(45.7%)、CEA陽性リンパ節(b)は254個(42.4%)、CK-20陽性リンパ節(c)は183個(30.6%)、共に陽性(d)は163個(27.2%)であった。(3)38例中のリンパ節転移陰性25例397個のうち、(a)〜(d)はそれぞれ175個(44.1%)、160個(40.3%)、125個(31.5%)、103個(25.9%)であった。(4) 9例のリンパ節140個(組織学的転移陽性2個)のCEA染色にて27個が陽性であった。(5)血液は、32例中CEAまたはCK-20が陽性の症例は、摘出前末梢血が2例、腫瘍灌流静脈血が8例、摘出後末梢血が7例であった。【結語】RT-PCRを用いた微小転移の検出は感度が高く、組織学的転移陰性リンパ節における広範な転移の存在や、異時性肝転移の予測の可能性が示唆された。