ABSTRACT 643(15-1)
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血漿DNAを用いた膵癌・胆管癌診断の試み:松田康伸1、小林正明1、鈴木裕1、新井太1、坪井康紀1、市田隆文1、波多野徹2、若井俊文3、斎藤英樹4、清水武昭5、朝倉均11新潟大・医・3内、2厚生連中央病・内、3新潟大・医・1外、4新潟市民病・外、5信楽園病・外)

Molecular detection of pancreatic cancer and biliary tract cancer by using plasma DNA: Yasunobu MATSUDA1, Masaaki KOBAYASHI1, Yutaka SUZUKI1, Futoshi ARAI1, Yasunori TSUBOI1, Takafumi ICHIDA1, Toru HATANO2, Toshifumi WAKAI3, Takeaki SHIMIZU4, Hideki SAITOU5, Hitoshi ASAKURA1 (Dept. of Int. Med. 3, Niigata Univ., 2Nagaoka Chuo Hosp., 3Dept. of Surgery 1, Niigata Univ., 4Niigata City General Hosp.,5Shinrakuen Hosp.)

[目的]健康診断による検出が困難である膵癌・胆管癌に対して、血漿に遊離した腫瘍DNAを利用して癌抑制遺伝子の解析を試み、血液サンプルによる診断方法を検討した。
[方法]癌患者の末梢血から、白血球画分DNAと血漿画分DNAを別々に抽出して、p16 exon 1-2, p53 exon 5-8のPCRを各々行った。(1)同一患者の白血球PCR産物と血漿PCR産物を互いにアニールさせてMutS蛋白と反応して、血漿DNAの遺伝子変異によって生じるミスマッチheteroduplexの検出を試みた。(2)血漿DNAにmethylation-specific PCRを行い、腫瘍由来のメチル化p16を検索した。
[結果]膵癌25例中18例 (72%) (p16変異6例、p16メチル化10例、p53変異9例)、胆管癌33例中24例 (73%) (p16変異10例、p16メチル化11例、p53変異6例) と高率に血液サンプルからの遺伝子異常の存在を検出できた。
[結論]今回試行した解析方法は、固形癌の遺伝子学的スクリーニングとして有用である可能性が示唆された。