ABSTRACT 646(15-1)
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StageI肺非小細胞がんにおける予後因子:富澤由雄1,2,河野隆志1,松野吉宏3,野口雅之3,広橋説雄3,斎藤龍生2,山口直人4,中島孝5,横田淳11国立がんセ・研・生物,2群馬大・医・一内,3国立がんセ・研・病理,4国立がんセ・研・がん情報,5群馬大・医・二病)

Prognostic factors for stage I non-small-cell lung carcinoma: Yoshio TOMIZAWA1,2, Takashi KOHNO1, Yoshihiro MATSUNO1, Masayuki NOGUCHI1, Setuo HIROHASHI1, Ryusei SAITO2, Naohito YAMAGUCHI1, Takashi NAKAJIMA2, and Jun YOKOTA1 (1Natl. Cancer Center Res. Inst., 2Sch. Med., Gunma Univ.)

肺非小細胞がんは早期においても予後不良な症例があり、適切な予後診断のMarkerの同定が必要である。そこで、肺非小細胞がんの発生・進展に関わるがん抑制遺伝子 p53, p16の異常や、悪性化に関わるがん抑制遺伝子が存在すると考えられている染色体(2q,9p,18q, 22q)のAllelic Imbalance(AI)とが予後因子になりうるかを検討した。遺伝子変異及びAIに関しては、StageI肺非小細胞がんの患者105例(腺癌67例、扁平上皮癌28例、腺扁平上皮癌5例、大細胞癌5例)から得られた腫瘍組織とそれに対応する正常組織から高分子DNAを抽出し、PCR-LOH、PCR-SSCP解析を行った。また、パラフィン包埋切片を用いて免疫組織学的にp53,p16の発現についても解析した。その結果、単変量解析にてp53遺伝子異常は予後不良因子であったが、p53発現異常は予後との相関を示さなかった。また、第9染色体短腕のAIは単変量解析、多変量解析で有意に予後と相関したが、そこに存在するp16の発現異常とは予後と相関しなかった。現在、Fhit.proteinの発現と予後との相関を検討中であり、これらのがん抑制遺伝子、染色体の異常と予後との相関について総括的にまとめて報告する。