ABSTRACT 685(15-5)
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アポトーシス誘導Fas遺伝子の癌免疫遺伝子治療への応用:藤原斉、山岸久一、中嶋啓雄、上田祐二、藤信明、吉村哲規、岡隆宏(京都府立医大・2外)
    
Possible application of apoptosis-inducing Fas gene to the immuno-gene therapy of cancer: Hitoshi FUJIWARA, Hisakazu YAMAGISHI, Hiroo NAKAJIMA, Yuji UEDA, Nobuaki FUJI, Tetsunori YOSHIMURA, Takahiro OKA (2nd. Dept.of Surg., Kyoto Pref.Univ. of Med.)

【目的】宿主免疫系が、FasL/Fasを介してFas発現細胞にアポトーシスを誘導することが知られている.また最近、樹状細胞による、アポトーシス細胞由来抗原を用いた強力な抗原提示作用が報告されている.今回、FasL/Fasを介したアポトーシスの癌の免疫遺伝子治療への応用の可能性についての基礎的検討を行った.【方法】1)C3Hマウスと同系の線維肉腫細胞MCA-FにFas遺伝子を導入し、Fas高発現細胞を作成した.2)Fas高発現細胞を同系マウスあるいはFas-L機能欠損gldマウスに皮下接種し、造腫瘍性を検討した.3)IL-12遺伝子導入細胞とFas発現細胞を同系マウスに混合接種し、その併用効果を検討した.【結果】1)Fas高発現細胞接種単独により、強い造腫瘍性抑制効果を認めた.gldマウスでは認めなかった.3)Fas/IL-12細胞接種群において、コントロール群に比べて高率に腫瘍拒絶マウスを認めた.【結語】Fas高発現腫瘍細胞に対する、FasL/Fasを介したin vivo抗腫瘍免疫応答の存在が示唆された.さらに、IL-12発現による宿主免疫活性化により、Fas依存性の抗腫瘍効果増強の可能性が示唆された.