一般演題

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M. tuberculosis heat shock protein 70 遺伝子の導入による抗腫瘍効果：田澤立之，西條康夫，田中昌史，佐藤 研，貫和敏博（東北大・加齢研・呼吸器腫瘍）

Effect of ex vivo transfection of Mycobacterium tuberculosis heat shock protein 70 gene on the tumorigenesis of murine Lewis lung cancer cells: Ryushi TAZAWA, Yasuo SAIJO, Masashi TANAKA, Ken SATOH and Toshihiro NUKIWA (Dept. of Respiratory Oncology and Molecular Medicine, Inst. of Development, Aging and Cancer, Tohoku Univ.)

[目的] heat shock protein (hsp) はシャペロンとして細胞内のタンパク質の成熟，修飾に関与する一方で，病原性の細菌や寄生虫に対する免疫反応の標的分子としても重要である．癌細胞に対する特異的な免疫反応強化を目的に，マウス肺癌細胞株に結核菌hsp70遺伝子を導入し， in vivo での腫瘍増殖への影響を検討した．
[方法] SV40 プロモーター領域下にネオマイシン耐性遺伝子を有するプラスミドpCI-neo (Promega)のCMVプロモーター下に，結核菌hsp70遺伝子（Whitehead研究所 R.A.Young博士より供与）を組み込んだ pCI-hsp をルイス肺癌細胞株にリポフェクチン(GibcoBRL)を用いてtransfectし，G418存在下にstable transfectants を作成した．遺伝子導入細胞5×10⁵個をC57/BL6マウスの皮下に移植し，腫瘍増殖，生存期間を解析した．
[結果] null-vectorであるpCI-neo導入細胞株とpCI-hsp導入細胞株は，in vitroで同様の増殖を示すのに対し，in vitro ではpCI-hsp遺伝子導入細胞株の方が，より低い腫瘍増殖率を示し(移植後15日目平均腫瘍体積 0.7 vs 1.4cm³, p<0.05)，マウスの生存期間も長かった(平均生存日数24日vs 31日，p<0.005)．結核菌hsp70遺伝子導入は肺癌免疫遺伝子治療の組合せ選択肢となりうると考えられる．