ABSTRACT 694(15-5)
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IL-12およびIL-15遺伝子導入によるヒト膵癌細胞に対する抗腫瘍効果の検討: 成田光朗1,2,吉田有1,2,田崎健太郎1,宮内基博1,竹永啓三1,山元弘3,山口武人2,税所宏光2,崎山樹1,田川雅敏1 (千葉がんセ・1研,2千葉大一内,3阪大薬)

Anti-tumor effect by retrovirally transduced human pancreatic cancer cells with IL-12 or IL-15 gene:Mitsuro NARITA1,2, Yu YOSHIDA1,2, Kentaro TASAKI1, Motohiro MIYAUCHI1, Keizo TAKENAGA1, Hiroshi YAMAMOTO3, Taketo YAMAGUCHI2, Hiromitsu SAISHO2, Shigeru SAKIYAMA1, Masatoshi TAGAWA1 (1Chiba Cancer Center Res. Inst., 2Dept. Int. Med (I), Sch. Med. Chiba Univ. 3Fac. Pharm. Sci.Osaka Univ.)

【目的】ヒト膵癌培養細胞株AsPC-1にIL-12およびIL-15遺伝子を導入し、ヌードマウスにおける腫瘍原性に与える影響を検討した。【方法】(1)retrovirus vectorを用いて上記遺伝子を導入したAsPC-1細胞および親株AsPC-1細胞をヌードマウスの皮下に接種し、発育速度を比較検討した。(2)抗腫瘍効果発現機構解析のため、SCIDマウスおよび抗asialoGM1抗体処理ヌードマウスにても同様に実験した。(3) これらAsPC-1細胞をヌードマウスの腹腔内に接種し、生存期間を観察した。【結果】(1) IL-12、IL-15産生細胞とも親株に比較して著しい腫瘍原性の低下を認めたが、腫瘍の消失は見られなかった。(2)IL-12産生細胞ではSCIDマウスでも抗asialoGM1抗体処理でも抗腫瘍効果の減弱は見られなかったが、IL-15産生細胞ではいずれの場合も減弱した。(3) 腫瘍細胞の腹腔内接種ではIL-12、IL-15産生細胞とも親株に比し、明らかな生存期間の延長を認めた。【結論】IL-12、IL-15遺伝子導入によるヒト膵癌治療の可能性が示唆された。