ABSTRACT 696(15-5)
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Interleukin-18 (IL-18)を用いた癌免疫遺伝子療法:吉村 清, 硲 彰一, 飯塚徳男, 山本光太郎, 森 尚秀, 吉野茂文, 岡 正朗(山口大・医・2外)

Cancer immuno-gene therapy using tumor cells transduced with interleukin-18 (IL-18) : Kiyoshi YOSHIMURA, Shoichi HAZAMA, Norio IIZUKA, Koutaro YAMAMOTO, Naohide MORI, Shigefumi YOSHINO, Masaaki OKA (Dept. of Surg. II, Yamaguchi Univ. Sch. of Med.)

【目的】今回われわれは新しく発見されたサイトカインのうち、特に抗腫瘍効果が期待される IL-18 を用いた癌免疫遺伝子治療について検討した。【方法】LPS刺激マウス脾細胞から抽出したRNAより、RT-PCR法にてIL-18 cDNAを増幅し、IL-18発現 plasmid vector を作製した。lipofection 法により Meth-A およびcolon26にそれぞれ遺伝子を導入し、Meth-A/IL-18, colon26/IL-18とした。これら腫瘍細胞を同系のBALB/c マウス皮下に移植し、腫瘍増殖・移植局所の組織像および親株のrechallengeについて検討した。【結果】Meth-A/IL-18は移植後15日目に、すべての腫瘍が拒絶された。また移植局所には著明な単核球浸潤を認めた。さらに低免疫原性腫瘍であるcolon26においてもcolon26/IL-18では、colon26 に比較して移植7日目までは増殖に差を認めなかったが(12±6, 14±5)、移植21日目(137±98, 1331±509:p<0.01)以降では、colon26/IL-18の増殖は有意に抑制された。また、治癒マウスでは親株のrechallengeを拒絶した。【考察および結語】IL-18遺伝子導入により、Meth-Aでは完全な腫瘍拒絶と腫瘍特異免疫が得られ、また低免疫原性腫瘍である colon26 でも効果を認めた。IL-18遺伝子導入は癌免疫療法において新たな strategy となると考えられるため、さらに効率的な vector の開発に取り組んでいる。