ABSTRACT 697(16)
医師の視点からみた進行癌治療における告知とInformed Consent:坂本純一1,市原透2,渡辺正3,絹川常郎4,堀澤増雅2,安江満悟1,有吉寛5(1県立愛知病・外,2国立名古屋病・外,3藤田学園七栗・外,4中京病・泌,5県立愛知病・内)
Japanese physicians' attitude concerning truthtelling and informed consent for advanced cancer patients: Junichi SAKAMOTO1,Toru ICHIHARA2,Tadashi WATANABE3,Tsuneo KINUKAWA4,Masumasa HORISAWA2,Mitsunori YASUE1,Yutaka ARIYOSHI5(1Dept. Surg. Aichi Pref.Hosp.,2Nagoya Natl. Hosp.,3Fujita Univ.,4Chukyo Hosp.,5Dept.Int. Med. Aichi Pref. Hosp.)
進行癌治療における真実告知はInformed Consentに関連した最も重大な問題点になっている。そこで中部東海地区で癌治療に重点をおいている県立病院、国立および市立の総合病院、末期癌治療中心の病院の勤務医92人と開業医68人の計160名に、Miyachiが(Social Science and Medicine)にて提唱した告知に関する18項目の設問をアンケートおよび面接により調査し解析を行なった。その結果、患者本人の要望に従い真実を告知するとした勤務医は35%、開業医14%で米国における状況(72%)と著しく異なっており、場合によっては家族に告知するとした医師は70%(米国では19%)、病名告知がなされた患者は46%(米国では97%)であった。このようにわが国では進行癌の告知においてまだ患者本人よりも家族の意向が重要な判断基準となっている可能性が示唆された。また病院の特徴や開業医、勤務医の違いによっても告知に関する判断や方法に相違が認められることが明らかになった。