ABSTRACT 699(16)
 一般演題一覧 トップ 


緩和ケア外来のがん患者の倦怠感に関する研究:奥山徹1,2,明智龍男1,志真泰夫3,久賀谷亮1,岡村仁4,内富庸介1(1国立がんセ・研・精神腫瘍学、2東海大学・医・精神、3国立がんセ・東病・緩和 、4国立がんセ・中央病・精神)

Fatigue correlated factors among ambulatory cancer patients at Palliative Care Service : Toru OKUYAMA1,2, Tatsuo AKECHI1, Yasuo SHIMA3, Akira KUGAYA1, Hitoshi OKAMURA4, Yosuke UCHITOMI1 (1Psychooncology Div., Natl. Cancer Res. Inst. East, 2Dep. of Psychiat. Tokai Univ. Med. Sch., 3PCU. Natl. Cancer Hosp. East, 4 Psychiat. Div. Natl. Cancer Hosp.)

[目的]倦怠感はがん患者において痛みに次いで高頻度に出現する症状である。本研究では、緩和ケア外来がん患者の倦怠感に関連する要因について検討した。[対象と方法]平成9年10月より平成10年4月までの期間に、国立がんセンター東病院緩和ケアに登録となった外来患者を連続的にサンプリングし、我々が作成した倦怠感評価尺度を施行するとともに、身体的因子(PS、他の症状の程度、転移の有無、治療歴など)・精神的因子 (抑うつ・不安の程度、気がかりなど)・社会的因子(社会的支援など)について面接及び質問紙を用いて調査した。
[結果及び考察]60名の患者より有効な回答を得た。患者背景は平均年齢61±11才(中央値61才)、がんの原発は肺が34%で最も多く、97%の患者が転移巣を有し、PSの中央値は2であった。倦怠感尺度スコアを従属変数として、身体的・精神的・社会的因子を独立変数として重回帰分析を行った結果、抑うつ及び不安尺度スコアのみが有意な因子として抽出された(P<0.05)。本研究より、緩和ケア外来がん患者の倦怠感に関連する要因として、抑うつや不安といった精神的な因子が重要であることが示唆された。