ABSTRACT 702(17)
組織型別にみた胃がんと喫煙習慣との関連:井上真奈美1,田島和雄1,浜島信之1,広瀬かおる1,山村義孝2,中村栄男3,富永祐民4(1愛知がんセ・研・疫学,2愛知がんセ・病・消外,3愛知がんセ・病・臨床検査,4愛知がんセ・研)
Habitual smoking and the risk of gastric cancer by histologic subtype: data from a case-referent study in Japan (HERPACC): Manami INOUE1, Kazuo TAJIMA1, Nobuyuki HAMAJIMA1, Kaoru HIROSE1, Yoshitaka YAMAMURA2, Shigeo NAKAMURA3, Suketami TOMINAGA4 (1Div. of Epidemiol., Aichi Cancer Ctr. Res. Inst., 2Dept. of Gastroenterolical. Surg., Aichi Cancer Ctr. Hosp., 3Dept. of Pathol. & Clin. Labo., Aichi Cancer Ctr. Hosp.,4Aichi Cancer Ctr, Res. Inst.)
〔目的〕喫煙習慣と胃がんとの関連を組織型別に比較検討する。〔対象と方法〕対象は1988-1995年に愛知県がんセンター病院に新来院し生活習慣質問票に回答した患者である。このうち外科的に組織型を確認した新発生胃がん995例を症例群、非がん患者43,846人を比較対照群とした。症例群を組織型により高中分化型と低分化型に分類し、喫煙習慣と各組織型胃がんのリスクを男女別に検討した。解析にはロジスティックモデルを用い、年齢、来院時期の他、胃がん家族歴、飲酒、塩分嗜好、果物摂取の各要因で調整したオッズ比(OR)を算出した。〔結果〕男の喫煙者では胃がんのリスクが2.5倍に増加し、高分化型の方が低分化型より喫煙の影響が大きかった。年齢群別に見ると、若年群で喫煙によるリスクの増加がより大きかった(OR=4.0)。喫煙本数や喫煙開始年齢による差は明確ではなかった。女では男よりリスクの増加が小さく(OR=1.7)、組織型や年齢群によるリスクの差異が明確ではなかった。〔考察〕喫煙習慣は胃がんのリスクを高め、特に高中分化型胃がんでその影響が大きいことが示唆された。