ABSTRACT 704(17)
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日本人男性における大豆製品摂取と血清性ホルモン値の関連:永田知里、高塚直能、川上憲人、清水弘之(岐阜大・医・公衛)

Association of dietary intake of soy products with serum sex hormone concentrations in Japanese men: Chisato NAGATA,Naoyoshi TAKATSUKA, Norito KAWAKAMI, Hiroyuki SHIMIZU (Dept. Public Health,Gifu University, School of Medicine)

[目的]前立腺癌の発生には性ホルモンが関与するとされている。大豆製品には phytoestrogenが多く含まれるため、この食品の摂取が、人のホルモン環境に何らかの変化をもたらし、前立腺癌のリスクに影響を及ぼす可能性がある。本研究は健康男性において大豆製品摂取量と血清性ホルモン値、testo-sterone (T)、5alpha-dihydrotestosterone(DHT)、free-T、estrone (E1)、estradiol (E2)、sex hormone-binding globulin (SHBG)、の関連性を評価することを目的とする。
[方法]対象は岐阜県T市民(35歳以上)からのサンプルで、採血時に身長、体重、既往歴、喫煙歴、薬の使用について面接を行った。同対象者には、3年前に169種類の食品および料理を含む食品摂取頻度調査票を用いて、過去1年における食習慣を調査した。この調査票で、大豆製品摂取および総カロリー、脂肪等、24種類の栄養素を推定できる。90名の参加者より、糖尿病、心疾患を除いた79名を解析対象とした。大豆製品摂取量と血清ホルモン値の関連はSpearmanの相関係数を求め評価した。年齢、肥満度(BMI)、喫煙、飲酒量、総カロリー摂取量等の因子を補正に用いた。 [結果]E2はこれらの因子で補正後、大豆製品摂取と有意な負の相関関係(r = -0.26、p = 0.04)を示し、E1、free-Tも大豆製品摂取量と負の相関を示したが、統計的に有意ではなかった(r = -0.20, p = 0.15、r = -0.13、p = 0.28)。T、DHTおよび SHBGは大豆製品摂取量との関連性は認められなかった。