ABSTRACT 1801(P7-4)
大腸癌におけるThrombomodulinの発現と臨床病理学的因子との関連性:西村元一,経田 淳,宮下知治,伏田幸夫,藤村 隆,米村 豊,三輪晃一(金沢大・医・二外)
Expression of Thrombomodulin and its relationship to clinicopathological factors in colorectal cancer : Genichi NISHIMURA, Atsushi TSUNEDA, Tomoharu MIYASHITA, Sachio FUSHIDA, Takashi FUJIMURA, Yutaka YONEMURA, Kouichi MIWA (Dept. of Surg.(U), School of Medicine, Kanazawa Univ.)
(目的)大腸癌の原発巣近傍におけるThrombomodulinの発現を調べ、血管新生ならびに転移などとの関連性について検討を行った。
(対象、方法)大腸癌155例を対象として、抗ヒトThrombomodulin抗体を用いた免疫組織染色を行い、TMの発現程度と転移を含めた臨床病理学的因子および血管新生との関連性について比較検討した。
(結果)155例のうちTM陽性例は64.5%であり、TM陰性例は35.5%であった。臨床病理学的因子別にみると、肝転移陽性例にTM陰性例が多く認められたが、他の因子では差は認められなかった。またTM陰性例で新生血管数が多い症例を有意に多く認めた。両群の予後を検討したところ、TM陰性例は、TM陽性例と比較して予後不良であった。
(まとめ)大腸癌組織におけるThrombomodulinの 発現の低下は血行性転移に何らかの関与をしている可能性が示唆された。