ABSTRACT W01-2(W01)
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老化と癌 - 病理学的疫学的観点から:石川雄一(癌研・研・病理)

Ageing and cancer: Yuichi ISHIKAWA (Dept. of Pathol., Cancer Institute)

以下のトピックから,老化と癌について考えてみたい.
1. 高齢者,若年者における癌の種類の違い.
一般に癌は高齢者に多い.肺癌, 胃癌, 大腸癌, 前立腺癌が代表的だ.一方若年者では,肉腫などが多い.
2. 癌が高齢者,若年者に発生した場合の違い.
胃癌:一般に若年者では低分化型,高齢者では高分化型といわれる.高齢者の低分化癌は,高分化型が転化して生じると考えられる.
骨肉腫:若年型では大部分が膝と肩に生じ,組織亜型でもosteoblasticが多い.いっぽう成人型では,部位・組織亜型が異なる.
3. 癌の背景となる正常組織と年齢との関係 - estrogen受容体遺伝子(ER)のメチル化を指標にして.
癌のないヒトの大腸では,年齢とともにERのメチル化が高度となるが,肺では低レベルのまま年齢によらず一定である.
4. 早老症(特にWerner症候群)および関連疾患における癌.
成人型早老症Werner症候群は,癌好発症候群でもある.しかし癌の種類は,骨軟部肉腫,黒色腫,髄膜腫,myeloid系腫瘍が多く,carcinoma では日本人で甲状腺癌が多い.一見,若年者型の腫瘍が多いようであるが,骨肉腫を調べると,成人型であった.Bloom, Li-Fraumeni, Rothmund-Thomsonの各症候群, および網膜芽細胞腫にも触れる.