ABSTRACT W01-4(W01)
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テロメレース活性化の分子機構:石川冬木(東京工大・生命理工)

Molecular Mechanisms of Telomerase Activation : Fuyuki ISHIKAWA (Dept. Life Science, Tokyo Inst. Technol. )

テロメレースは、活性化リンパ球や幼弱な造血細胞などの例外的な場合をのぞいて、ほとんどの正常体細胞は活性を示さない一方、ほとんどの臨床癌および癌由来細胞株は高い活性を示す。このため、テロメレース活性は、癌細胞診断や治療に新しい糸口を与えるものと期待されている。テロメレース活性がいかなる分子機構により制御されているのかは、ながらく不明であった。しかし、昨年、ヒトテロメレース付属蛋白質hTEP1 (human telomerase-associated protein 1)、触媒蛋白質hTERT (human telomerase reverse transcriptase)をそれぞれコードしている遺伝子が同定され、テロメレース活性化機構が少しずつ明らかになりつつある。我々は、既にテロメレース活性のないヒト線維芽細胞にはhTERT遺伝子の発現がなく、これを強制発現することによりテロメレース活性が誘導されることを示した。これは、hTERT遺伝子の発現の有無が、体細胞のテロメレース活性の有無を第一義的に規定していることを示している。この研究の延長上にあるhTERT遺伝子の発現調節をになう遺伝子上のシスエレメントの解析は、現在研究が進行中である。一方、テロメレース付属蛋白質hTEP1や従来より知られていた鋳型RNA、hTRのテロメレース活性制御における役割については疑問点が多い。その一端は、mTEP1遺伝子のノックアウトマウスの作成・解析により明らかにされるものと期待される。最後に、テロメレース非依存的にテロメアを維持する機構がヒト細胞においても知られている。このような細胞は従来よりDNA組み換えによりテロメアDNAの短小化を防いでいるものと考えられてきたが、その分子生物学的解析は今後の課題である。