ABSTRACT W03-1(W03)
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APC/COX-2遺伝子ノックアウトマウスにおける大腸癌発生と間質細胞の関与:高久 和明(万有製薬、筑波研)武藤 誠(東大、薬、遺伝学)

Role of stromal cells in intestinal tumorigenesis in compound knockout mice in the APC and COX-2 genes : Makoto M. TAKETO (Lab. of Biomed. Genet., Grad. School of Pharm. Sci., Univ. of Tokyo)

[目的] FAPの原因として同定されたAPC遺伝子変異は、散発性の多くの消化器ポリプ症及び癌の原因ともなっている。我々は、マウスのAPCホモログであるApcにノックアウト変異を導入してFAPのモデルを作出し(1), また、トランスジェニックマウスの実験から所謂ドミナントネガテイヴ機構を否定した(2)。近年、非ステロイド系抗炎症剤(NSAIDs)が、腸癌や腸ポリプ症に治療効果があるとの報告が蓄積し、シクロオキシゲナーゼ2(COX-2)の阻害に依ると考えられる。
[方法] 腸癌とCOX-2の関係を明らかにする為に、Apcノックアウトマウスに於けるCOX-2遺伝子の発現とノックアウト変異の影響を調べた。さらに良性腫瘍の癌化を調べる為にDpc4遺伝子ノックアウト変異を導入した。
[結果] COX-2はポリプ形成の早期から誘導されており、COX-2遺伝子のノックアウト変異を導入すると、ポリプの数とサイズが著しく減少するが、これは間質細胞の増生が抑制される為である(3,4)。また腫瘍上皮のDpc4遺伝子ノックアウト変異は良性腫瘍を侵襲性の悪性癌に進行させ間質細胞の増生を刺激する(5)。
[結論] これらの結果は腫瘍の増大と悪性化は上皮と間質の相互作用を介して進展することを示している。
[文献] (1) PNAS 92: 4482 (1995), (2) Cancer Res. 55:2719 (1995), (3) Cell 87:803 (1996), (4) Cancer Res. 57: 1644 (1997), (5) Cell 92: 645 (1998).