ABSTRACT W04-2(W04)
緩和医療(疼痛以外)における非薬物療法ー癌性狭窄に対するstenting並びに癌性腹膜炎における減圧胃瘻の適応をめぐって:比企能樹、嶋尾仁(北里大学東病院外科)
Endoscopic stent placement for malignant esophago-cardiac stenosis and percutaneous endoscopic gastrostomy for decompression of chronic ileus due to peritonitis carcinomatosa: Yoshiki HIKI, Hitoshi SHIMAO (Dept. of Gastroenterol. Surg. Kitasato Univ. East Hosp.)
(目的)癌緩和医療を目的とした内視鏡治療として、切除不能の食道噴門部癌性狭窄に対するステント挿入と癌性腹膜炎に対する減圧胃瘻を取り上げその効果について検討した。(対象及び方法)1.ステント挿入術;切除不能と判定されステント挿入を行った88例中経過観察が可能であった63例を対象とし、従来から使用されてきた合成樹脂系ステントと近年開発されたself-expanding stent(以下SES)を比較検討した。2.胃瘻造設術の効果;内視鏡胃瘻造設術(以下PEG)施行230例中24例が癌性腹膜炎に対する減圧胃瘻の対象となった。この24例について減圧効果、経口摂取の変化、外泊、退院可能症例数、合併症について検討した。(結果)1.ステント挿入術による食事摂取改善効果;有効以上を示したのは合成樹脂系で44.7%、SESで80.0%とSESがより効果があった。食事摂取持続時間は挿入から死亡までの期間のうち2/3以上持続した率は合成樹脂系で15.8%、SESで55.0%であった。2.胃瘻造設術の効果;PEG施行前のイレウス管の排液量とPEGからの排液量を比較すると1000ml/dayと700ml/dayで300ml/dayの排液量の減少が認められた。24例中23例で飲水あるいは流動食の経口摂取が可能となった。8例では外泊をし、1例は退院が可能となった。PEGでは瘻孔周囲炎を2例に一過性の嘔吐を2例に認めたのみで大きな合併症は認めなかった。(結論)ステント治療ではSESが食事摂取改善度、食事摂取持続期間に優れ挿入手技も容易であることから、緩和医療として有効と思われた。PEGでは長期のイレウス管からの苦痛から開放され流動食摂取が可能となるなど経口摂取の希望にそえる方法と思われた。
キーワード:内視鏡治療、ステント挿入、減圧PEG