ABSTRACT W04-3(W04)
 ワークショップ一覧 トップ 


がん緩和医療の問題点
江口研二 国立病院四国がんセンター

Challenges in the inprovement of palliative medicine in oncology, Kenji EGUCHI, National Shikoku Cancer Center

本邦におけるがん緩和医療の向上には、1)医療技術の質的な充実、2)医療体制の整備、3)医療従業者の教育、及び4)社会でのがん緩和医療に関する認識の普及が必要である。1)は各施設・各医療者の個々の経験のみによる診療技術を見直し、evidence-basedの医療技術、各種症状に関する科学的な臨床研究を発展させる必要がある。また研究資金等に関する対策も重要である。2)に関しては、緩和医療の質を全国レベルで維持しチーム医療体制として各科、各職種の枠を越えた専門家によるチーム診療を実践することが必要となる。3)はがん緩和医療を単に終末期医療と定義するのではなく、一連のがん診療から治療まで全ての時期のがん患者を対象とした医療であるとの認識にたち緩和医療の体系的な教育体制を整備する必要がある。4)については臓器移植などの問題と同様に一般社会の関心や理解を呼び起こす積極的な働きかけが必要である。本年5月の米国臨床腫瘍学会総会(ASCO)では米国の腫瘍専門医約3000人に対して行ったend-of-life-careの特別調査報告が公表され医療者の体系的な教育体制整備、緩和医療提供施設の充実を緊急課題としていた。3年前の調査に比べ、緩和医療の向上を重視し、physician-assisted suicide とeuthanasiaを擁護しない医療者が大幅に増えたことも報告された。
本邦で質の高いがん緩和医療を確立するには世界のがん医療の動向も視野に入れて行動する必要がある。