ABSTRACT W05-3(W05)
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14q32のゲノム解析と成人T細胞白血病関連遺伝子の探索:磯部正治1,糸山貴浩1,貞森直樹2,朝長万左男21富山大学・工・生命工学, 2長崎大学・医・原研内科)

Genome analysis of chromosome 14q32 and searching for adult T-cell leukemia related gene: Masaharu ISOBE1, Takahiro ITOYAMA1, Naoki SADAMORI2, Masao TOMONAGA2 (1Mol & Cell Biol., Faculty of Eng., Toyama Univ., 2Dept of Hematology, School of Med, Nagasaki Univ.)

成人T細胞白血病(ATL)症例における細胞遺伝学的検討により、14番染色体q32領域は、最も高頻度に構造異常が観察される領域として知られている。しかしながらこれらの異常の分子生物学的詳細については不明の点が多い。そこでわれわれは14番染色体q32領域のゲノム解析を進め、得られたクローンをプローブとして34例のATL患者由来の白血病細胞において蛍光in situハイブリダイゼイション法による解析を行った。その結果、全症例の52.9%(18/34症例)、急性型およびリンパ腫型に限った場合の60%(18/30症例)において14q32領域における1コピーの増幅を見いだした。さらに23.5%(8/34症例)の頻度で14q32領域における染色体転座が認められ、これらの切断点がいずれもTCL1遺伝子座と、免疫グロブリン遺伝子座の動原体側に位置するD14S16遺伝子座との間に局在していることを証明した。このうち2症例では、転座切断点が約 15kbの領域に集積し、さらに別の1症例においてこの領域の約120kb動原体側に切断点の存在が明らかとなった。興味あることにこの最後の症例では、全ての14番染色体がこの切断点で染色体転座あるいは染色体挿入を起こしていた。この領域は、各種固形癌におけるLOHの多発部位とも一致することから、これらの染色体転座を介して腫瘍抑制遺伝子の不活化の引き起こされる可能性が強く示唆された。そこで現在この領域に存在する遺伝子の探索を進めATL発症との関連を解析している。