ABSTRACT W06-1(W06)
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発がん要因の究明―生活習慣要因―:古野純典(九大・公衛)

Lifestyle factors in cancer etiology:Suminori KONO (Dept. of Public Health, Kyushu Univ.)

生活習慣は多くの種類のがんの発生に関与している。喫煙、飲酒及び運動とがんに関する疫学研究の成果を総括し、がん研究における疫学の重要性と方向性を考察する。喫煙は重要な発がん要因であるが、喫煙と大腸がんとの関連性は最近までほとんど注目されていなかった。喫煙は前がん病変である大腸腺腫と強く関連しているので、大腸発がんの初期段階に関与している可能性が強い。過度の飲酒が口腔がん、食道がん、肝がんのリスクを高めることは周知のことである。最近、飲酒が大腸がんや乳がんのリスクも高めていることがわかってきた。飲酒によるこれらのがんリスクの高まりは軽度であるが、飲酒習慣の広がりを考えれば寄与度合は大きい。運動が大腸がん、特に結腸がんに予防的であることが、多くの患者対照研究およびコーホート研究で報告されている。大腸腺腫の疫学研究でも同様の結果が得られており、運動が結腸がんに予防的であることは間違いないと考えられる。発がんの機序を解明することではなく、予防につながる科学的証拠を提供することが疫学の使命であり、『観察』と『推論』を基本とする疫学研究はがん研究において将来とも重要である。