ABSTRACT W06-2(W06)
がん予防の実践−喫煙対策−:中村正和(大阪がん予防検診セ・調査部)
Interbention Research on Primary Prevention of Cancer - Smoking Control : Masakazu NAKAMURA (Dept. of Cancer Prevention, Osaka Cancer Prevention and Detection Ctr.)
これまでわが国のがん疫学研究は、リスク要因の解明を目指した疫学研究に重点がおかれてきた。しかし、喫煙などの生活習慣の改善においては、疫学研究の成果、すなわちリスクファクターの解明だけでは、その効果的な実践活動につながらないという問題がある。
演者らは、喫煙の健康リスクに関する疫学研究の成果を喫煙対策の施策や活動に結びつけるために、喫煙対策のための方法論の開発(禁煙サポート、喫煙防止、分煙)と、それらを用いた介入研究に取り組んできた。介入研究の手順は、GreenwaldとCullenが提唱したがん制圧のプロセスに従い、1)まず個人を対象とした介入研究を行い、理想的な条件下での有効性を評価する、次に、2)有効性が確認された方法論を用いて地域や職域の特定集団を対象に介入研究を行い、より現実的な条件下での有効性を評価することとした。
これまで無作為比較対照研究により有効性を確認した禁煙サポートの教材や道具には、外来診療用プログラムとコンピューターによる健康危険度評価システムがある。また、喫煙防止プログラムとして、小学校高学年生を対象とした授業用プログラムや中学生を対象とした自習用プログラムを開発し、その有効性を確認する研究を行っている。なお、外来診療と合わせて多くの喫煙者に禁煙のサポートが可能な、検診の場での禁煙サポートプログラムについては、昨年度より厚生省がん研究助成金(9-5)を得て、その有効性の検討を行っているところである。
現在、介入研究は地域や職域を対象とした喫煙対策研究へと移行しつつある。すでに大阪府下の某地域と職域でのパイロット研究を終了し、コントロールを設定した介入研究実施にむけて準備を進めている。