ABSTRACT W06-4(W06)
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がん検診の評価:久道 茂(東北大・医学部・公衆衛生)

Evaluation of Cancer Screening : Shigeru HISAMICHI (Dept. of Public Health, Tohoku Univ. School of Medicine)

がん検診の有効性については、近年、いろいろな立場からの議論が出ている。そのため、多くの国民は、がん検診の持つ問題点を知ることができたが、反面、がん検診の有効性、早期発見の効果について、間違った理解や誤解を生むことにもなったことは否めない。
以上のような背景から、平成8年度厚生省老人保健健康増進等補助金事業として「がん検診の有効性に関する調査研究事業」の研究斑が設置された。この研究斑の趣旨は、がん検診の実施に当たって、受診者に対して検診の有効性及び限界、検診に伴うリスク等の事項について十分に情報を提供することである。そこで、これまで行われた疫学的手法による研究の学術論文などの情報を集積・分析した。研究班の構成は、総括会議と部会からなり、前者は、研究班の企画立案、各部会の調整及び総括を行い、演者を委員長として各部会の代表、疫学者などの12名で構成され、部会は総論作成部会及び5つの各がん検診部会(厚生省がん研究助成金による研究班の主任研究者ら)からなり、各部会はMEDLINEや医学中央雑誌の文献データベースや各研究班の報告書による検索、それらのクリテイカルレビューを行った。平成10年4月、研究班は老人保健法の保健事業として組み入れられていた5つのがん検診について総合評価をし、かつ現状での有効性評価についての結論と見直すべき点があれば将来の研究や実施面での方向を示唆する「勧告」をまとめて一般に公開した。多くの関心を寄せるところとなった。このようながん検診の有効性評価のなかで疫学の占める位置は極めで大きくかつ重要なことである。今回は、がん検診の有効性評価に関する疫学的手法の実際と問題点について概説する。