ABSTRACT W07-2(W07)
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ATL発症におけるHTLV-1 Taxの役割:吉田光昭, 村上孝, 三宅洋, 鈴木健之(東大・医科研・細胞化学)

Pleiotropic functions of HTLV-1Tax and their significance in ATL development:Mitsuaki YOSHIDA, Takashi MURAKAMI, Hiroshi MIYAKE, Takeshi SUZUKI (Dept. of Cell and Mol. Biol., Inst. Med. Sci., Univ. Tokyo)

HTLV-1のTax蛋白は、T細胞を不死化し、繊維芽細胞をトランスフォームし、トランスジェニックマウスに腫瘍を誘発することから、ATLの発症に関わるものと推定されている。我々は、Tax が転写活性化、細胞周期抑制因子の阻害等を通して、細胞の異常増殖を誘導することを明にしてきた。これらの機構に加えて我々は、Tax が増殖抑制遺伝子の発現を抑制し、感染細胞の異常増殖を促進することを見出すとともに、突然変異率を惹起することをも明らかにした。Tax が転写抑制を介して細胞の異常増殖を誘導する際の標的遺伝子として、既知のp18inkおよび新しくRTC-9を同定した。p18inkの転写抑制は、同族のがん抑制遺伝子として知られるp16inkの機能を蛋白レベルで阻害するのと対照的であり、その転写抑制にはE-Boxが関与する。新しく分離されたRTC-9は、GO/G1期からS期への移行に際して、その発現が顕著に抑制されることから、Tax による転写制御が細胞周期を促進するものと思われる。この抑制にはE-Boxが関わらないようである。一方、Tax の発現により、細胞の遺伝子の点変異率が有為に上昇することを、塩基配列のレベルで証明した。これらをまとめて紹介し、ATL発症におけるTax の役割について討論する。