ABSTRACT W08-5(W08)
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大腸がんのがん抑制遺伝子APCの機能:
秋山 徹(東大・分生研・分子情報 / 阪大・微研・発癌制御)

Function of the colorectal tumor suppressor APC:Tetsu Akiyama (Dept. of . Mol. Gen. Information, Inst. of Mol. Cell. Bioscience, Univ. of Tokyo / Dept. of Oncogene Res. Res. Inst. for Microbial Diseases, Osaka Univ.)

家族性腺腫性ポリポーシスの原因遺伝子APCはsporadicな大腸がんの大部分でも変異をおこして失活していることが知られている。遺伝子産物は細胞質および核に局在する300 kDaの蛋白質でβ-cateninやDrosophilaの癌抑制遺伝子dlgのヒトホモログの産物hDLGなど種々の細胞蛋白質と複合体を形成している。β-cateninは、形態形成、癌化に重要な役割を果たすWnt/Winglessシグナル伝達経路の構成要素で、Wntシグナルによって安定化し転写因子Tcf/Lefと結合して標的遺伝子の転写活性化を引きおこす。APCはβ-caten の分解を誘導することによりWntシグナル伝達経路を負に制御する活性をもっている。また、最近APCに異常のない大腸癌やメラノーマでβ-cateninに変異が起きて安定化している場合のあることが報告され、Wntシグナル伝達経路の発癌における重要性が示された。一方、hDLGはPDZドメインでAPCのC末端に結合し、細胞周期の進行を制御するために重要な役割を果たしていると考えられる。我々はAPCの機能をさらに明らかにする目的で、β-cateninおよびhDLGを介したシグナル伝達経路の解析を進め、新規のβ-catenin結合蛋白質およびhDLG結合蛋白質を同定した。これらの分子の機能について解析した結果を紹介し、APC遺伝子の異常による発癌の機構について議論したい。