ABSTRACT W09-1(W09)
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抗生物質と抗炎症剤によるラット肺発癌の抑制:堤雅弘, 小西陽一(奈良医大・がんセ・腫瘍病理)

Inhibitory effect of combination administration of antibitics and anti-inflammatory drugs on lung carcinogenesis induced by BHP in rats : Masahiro TSUTSUMI, Yoichi KONISHI (Dept. of Oncol. Pathol., Cancer Center, Nara Med. Univ.)

(目的)ウイルスや細菌などによる慢性炎症は発癌促進因子であることが種々の臓器で示されているが、細菌による慢性炎症の暴露をうけやすい呼吸器の癌における慢性炎症の発癌促進作用についての知見は乏しい。本研究の目的は、ラット肺癌発生系における細菌感染による慢性炎症の発癌促進機構および炎症を抑制することによる肺癌の化学予防の可能性を検索することにある。(材料および方法)同様の実験を2回行った。Wistar系雄ラットに2000ppmのBHPを12週間飲水に混じ投与した後、実験1では第1群基礎食、第2群0.02%エリスロマイシン(EM)、第3群0.04%アンピシリン(ABPC)、第4群1.5%小柴胡湯投与群、第5群はEMと小柴胡湯および第6群はABPCと小柴胡湯複合投与群とした。実験2では第1群基礎食、第2群0.04%ABPC、第3群0.006%ピロキシカム、第4群ABPCとピロキシカムおよび第5群ABPCと0.75%オウゴンの複合投与群とした。実験開始20週目に全動物を剖検し肺について組織学的検索を行った。実験2では気管支肺胞洗浄液の細菌学的検索も行った。(結果および考察)実験1の結果、第6群において対照群に比較し肺腺癌の発生頻度および動物1匹あたりの腺癌発生個数の有意な減少がみられた。実験2の結果、第4、5群において対照群に比較し肺腺癌の発生頻度および動物1匹あたりの腺癌発生個数の有意な減少がみられた。気管支肺胞洗浄液よりE.coli やKl.pneumoniaeなどが検出された。以上の結果より、ラット肺癌の発生に細菌感染による慢性炎症が関与すること、炎症を抑制する薬剤により肺癌の発生を化学予防しうる可能性が示唆された。