ABSTRACT W09-4(W09)
Epstein-Barrウイルスのヒト胃がん発生への関与:徳永正義1、栄鶴義人2(鹿児島大学医学部1公衆衛生学教室, 2 難治ウイルス研, 臓器発癌)
Association of Epstein-Barr virus to human gastric carcinogenesis: Masayoshi Tokunaga1, Yoshito Eizuru2 (1Dept. of Public Health, 2 Div. Oncogenic viruses, Center of Chronic Viral Diseases, Kagoshima Univ. School of Med.)
Epstein-Barr virus(EBV)はBurkitt リンパ腫(BL)細胞で発見されて以来ヒト癌ウイルスの一つとして多くの研究がなされてきた。EBVは他の癌ウイルスと異なり人類に普遍的に蔓延している。EBV関連腫瘍は悪性リンパ腫から上皮性腫瘍まで多彩である。
EBVの胃粘膜への感染機構は未だ不明であるが、EBV関連早期胃癌の周辺粘膜を観察すると大部分の症例で腸上皮化生を伴う著明な萎縮性胃炎像が見られる。従って、EBV感染は萎縮性胃粘膜に成立し、異型上皮になって始めてEBV encoded small RNA(EBER)を発現すると考えられる。また、発生した癌は粘膜内病変で特徴的な"lace pattern"を示し、すべての癌細胞にEBER及びEBNA-1を発現し、CD8 T-lymphocyteの反応が著明である。EBV関連胃癌患者のviral capsid antigen(VCA)及びearly antigen(EA)に対するIgG抗体はEBV陰性胃癌患者に比べ持続性に高い。更に、これらの患者はHLA-DQ3の頻度が高い。
以上のような所見から、EBV関連胃癌の発生や進展には個体の免疫特性が関係している可能性が強く考えられる。このようなEBV関連胃癌は男性優位であり、胃の上部に多発し、頻度に若干の差は見られるが、全世界に分布していると考えられる。