ABSTRACT W14-1(W14)
SEREX法を用いた新しい胃癌抗原の検出:小幡裕一1, 坂本純一2, 浜島信之3, 富永祐民4, Lloyd J. Old5, 高橋利忠1 (1愛知がんセ・研・免疫, 3疫学, 4愛知がんセ・研, 2県立愛知病院, 5ラドウィック癌研)
Gastric cancer antigens identified by the SEREX method: Yuichi OBATA1, Junichi SAKAMOTO2, Nobuyuki HAMAJIMA3, Suketami TOMINAGA4, Lloyd J. OLD5, Toshitada TAKAHASHI1(1Lab. Immunol., 3Lab. Epidemiol.,4Aichi Cancer Center Res. Inst., 2Aichi Pref. Hosp., 5Ludwig Inst. Cancer Res.)
癌組織由来の発現cDNAライブラリーを患者の自己抗体を用いて検索し、癌抗原を同定する方法、SEREX法 (SErological identification of antigens by REcombinant EXpression cloning)が、1995年Pfreundschuhらによって開発された。SEREX法の利点は、(1)細胞傷害性T細胞(CTL)と癌細胞の培養株の樹立を必要としないこと、(2)癌抗原の同定とその支配遺伝子の単離・同定が直結していることである。欧米では、メラノーマ、大腸癌、肺癌、食道癌などを対象に、SEREX法による検索が行われている。CTLで同定された既知の癌抗原をSEREX法でも検出できること、またSEREX法で同定された抗原に対して癌患者でCTLが誘導できることも証明されている。 胃癌は減少傾向にあるものの、依然として日本人では最も主要な癌である。胃癌患者が認識する抗原を同定するために、スキルス型1例、低分化型2例、中分化型1例、合計4例のcDNAライブラリーを作成し、各々の患者の自己抗体を用いSEREX法による検索を施行した。既知および新規の100種余の抗原とその支配遺伝子を単離・同定しており、複数の胃癌患者が認識した抗原、癌遺伝子由来の抗原、癌で発現が増大している遺伝子由来の抗原、遺伝子の異常に起因する抗原、また自己免疫疾患関連抗原などが検出されている。胃癌の診断さらには免疫療法に有用な癌抗原を選定するために、他の胃癌患者、他組織由来の癌患者および正常人がこれら同定した抗原に対して抗体を産生するかどうかの検索を開始しており、その結果も発表する。