ABSTRACT W14-4(W14)
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腫瘍組織血管内皮細胞に対するターゲティング療法:真弓忠範(阪大院・薬)

Tumor vascular targeting for cancer therapy:Tadanori MAYUMI(Graduate School of Pharmaceutical Sciences, Osaka University)

癌細胞に対する特異抗体を用いた癌ターゲティング療法は、一部の例外を除いて、抗体-制癌剤複合体の癌組織移行性が腫瘍組織血管内皮細胞層により著しく制限されてしまっていることに加え、腫瘍関連抗原の多様性のために、期待を裏切る結果となっている。さて一般に腫瘍組織血管は、癌種や動物種を越えて、正常組織血管よりも物質透過性が亢進しているなど、共通した数多くの機能特性を有している。従って、腫瘍組織血管内皮細胞表面上には、癌種や動物種によらず、腫瘍組織血管内皮細胞に共通した特異的機能分子が存在するものと示唆される。もし、この特異的共通機能分子に対する抗体が得られれば、前述の腫瘍関連抗原の多様性を考慮する必要が無いうえ、腫瘍組織移行性を考慮せずとも血流に曝されている腫瘍組織血管内皮細胞を直接攻撃できるなど、従来の両問題点が同時に克服出来ることになる。以上の観点から我々は、腫瘍組織血管内皮細胞に対するモノクローナル抗体を種々作製してきた。本講演では、これらの抗体のうち、腫瘍組織血管内皮細胞に対する特異性に優れたTES-23抗体について紹介させて頂く。このTES-23は、正常組織血管内皮細胞は認識せず、ヒト、マウス、ラットなどの動物種や、腺癌、繊維芽肉腫などの癌種によらず、腫瘍組織血管内皮細胞を特異的に認識し得ることが判明した。またTES-23とネオカルチノスタチンとの複合体は、副作用を殆ど伴うことなく、マウスMeth-AやラットKMT-17に対して著明な抗腫瘍効果を示した。以上の事実は、多くの動物種や癌種で共通した特異的分子が腫瘍組織血管内皮細胞上に存在すること、さらには腫瘍組織血管内皮細胞を標的とした癌ターゲティング療法の有用性を強く示唆するものである。